ムジカ・ポプラール・ブラジレイラ
ムジカ・ポプラール・ブラジレイラ(Música Popular Brasileira, MPB (エミ・ペー・ベー))とは、ブラジルの音楽形式(ジャンル)の1つで、英語的に言うと「ブラジリアン・ポピュラー・ミュージック」の意。
主に、1960年代後半、ボサノヴァ誕生以降の、ブラジルのポピュラー音楽をさす。ロック(ホッキ)など若者への訴求力の強い現代的な音楽が、当時流行していたTV音楽番組を通じてマスに流布したためこう呼ばれた。
概容 [編集]
初期のMPBは、当時世界的に流行したロックのブラジル的受容であり、ボサノヴァなど1950年代後半~1960年代前半にブラジル音楽の主流を成していたヨーロッパ白人中心主義の象徴とみなしうる都会的洗練や知性などへのアンチテーゼとして、エレキギターの刺激的なサウンドが若者の衝動を刺激した。しかし、既にブラジルのアイデンティティとなっていたサンバなどのサウンドや技法は受け継がれ、ロックンロールなどの要素にブラジル的な感性や伝統音楽を融合した様々なスタイルが形成された。
「反戦」-「ロック」-「ヒッピー」と繋がる世界的な音楽的流行がブラジルに伝わり、いち早く反応したカエターノ・ヴェローゾ、ジルベルト・ジルなどの若い音楽家たちが主導するトロピカリズモ運動がMPBの発祥であるとされる。
運動は、「ロック」的思想の受容であるとともに当初から脱植民地化、そしてブラジル的アイデンティティの確立という思想を内包し、伝統的な音楽リズムと現代的な音楽の融合が積極的に図られた。そのため、MPBとはロックを中心としながらも、広義には1960年代以降の音楽で流行したもののほぼすべてがこのジャンル名で括られることになる。
なお、アメリカやイタリア、スペイン、フランスなど世界的には、MPBもラテン・ポップのカテゴリー(範疇)に含まれると解される。しかし日本国内においては、ラテン・ポップといえばスペイン語圏の音楽に限られ、南米で唯一ポルトガル語圏であるブラジルのポピュラー音楽を含めないとする見方も多い。
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